アロー総研が迫る!大学入試のいま。その2

アロー総研が迫る!大学入試のいま。その2

「大学入試改革」という言葉が、どこまで受験生を不安にさせたことだろう。

アロー教育総合研究所では、定期的に各受験業界紙に寄稿を行っている。manalaboサイトでは、その一文を紹介し、高校教員の進路指導に役立つ「大学受験のいま」をお伝えしたい。

多様化する大学入試。~千葉商科大学、東京家政大学~

 他大学に先駆けて2018年度入試から入試改革を推し進めてきたのは千葉商科大学だ。AO入試を早々と新名称の「総合型選抜」に変更し、多面的評価重視の姿勢を明言する。「大学入試センター試験利用入試などで合格した入学者は学力も高く、学業成績の伸びも良い。けれども、行動しながら学ぶ『プロジェクト学習』などを展開する千葉商科大学の場合、プロジェクトのリーダーを務めるのは圧倒的に総合型選抜による合格者。千葉商科大学の『学び』にマッチした意欲的な受験生を獲得するために総合型選抜が必要なのです」(同大学入試担当者)」。

 早稲田大学や上智大学などの「高偏差値大学」でも、AO合格者の方が入学後の学業成績は優れているという調査結果があり、AO入試・総合型選抜強化に取り組む大学が増えている。「けん玉日本一で大学合格」といった評判が一人歩きをしてAO入試を一躍話題にした「一芸入試」の元祖は亜細亜大学。1989年に一芸一能入試を開始したが、棋士の木村一基王位を輩出するなど突出した実績もあり、一芸入試の合格者は周囲の学友に好影響を与えるものとして学内の評価は高い。

「学力不問」と批判されるAO・推薦入試について、大学入試改革では、学力評価を必ず課すよう求めている。また、推薦入試・学校推薦型選抜を見直す動きも見られる。

 東京家政大学では、入試と入学前教育と入学後の教育の連動を図る「グローアップ入試」を導入。AO・推薦入試のメリットとデメリットを見極め、入学者選抜の多様化、充実化に積極的だ。国立大学協会では、入学者全体の3割をAO・推薦入試合格者にすることを目標に掲げており、高等学校、大学ともに、AO・推薦入試シフトはますます強まると見られる。

まとめ

  • 総合型選抜では、学力試験を必ず課すように求められている
  • 入学者選抜の多様化・充実化に積極的な大学も増えている

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