アロー総研が迫る!大学入試のいま。その3。

アロー総研が迫る!大学入試のいま。その3。

「大学入試改革」という言葉が、どこまで受験生を不安にさせたことだろう。

アロー教育総合研究所では、定期的に各受験業界紙に寄稿を行っている。manalaboサイトでは、その一文を紹介し、高校教員の進路指導に役立つ「大学受験のいま」をお伝えしたい。

総合型選抜とは?

 2021年度入試から総合型選抜に名称変更するAO入試は、「学力型」「対話型」「実技型」に大別される。国公立大学や難関大学で多いのは「学力型」。多種多様な資料が与えられ、ボリューム感のある論文の作成などが求められる。京都大学の「特色入試」やお茶の水女子大学の「新フンボルト入試」は「大学生でも難しい」と評される。

 課題図書の読書レポートや学習計画書の提出、面接などが課される「対話型」は私立大学に多い。また、模擬講義を受講した上でグループディスカッションやプレゼンテーションを行うのは「実技型」。高校生が宿泊してセミナーを受講し、さまざまなプログラムに取り組むスタイルもある。実施する大学教職員の負担も大きいが、労力を費やした分だけ、合格者に対する期待も大きい。

 高等学校在校中の海外経験を評価する法政大学の「グローバル体験公募推薦」など、特別な経歴、経験を持つ高校生をターゲットとした入試も目立つ。さらに、女子栄養大学の「アクティブ・ラーニング入試」には、面接試験の選考員として卒業生も参加。学園の関係者を総動員して、「良い受験生」を獲得していきたい考えだ。「本当に欲しい入学者は総合型選抜やフラッグシップ的な選抜方式で獲得する。一般選抜・一般入試で集めるのは『一般客』」と本音を明かす私立大学職員もいる。

 一般選抜・一般入試は、もはや大学受験の「王道」ではなくなっている。

求められる、多面的評価。

 現在進行中の大学入試改革では、入学者選抜における多面的評価をさらに推し進めるよう各大学に求めており、選抜方式を問わず大学入試の多様化はますます進む見込みだ。

 新型コロナウイルスの影響も、選抜試験の多様化に拍車をかけそうだ。高等学校の臨時休業に配慮した入学者選抜として、文部科学省は、オンラインを活用した多様な選抜方法を取り入れるなど各種の工夫を要請している。大学入試改革にパンデミックが加わって、2021年度入試は混迷を極めており、受験生はかつてない情報戦を強いられている状況だ。

まとめ

  • 2021年度入試から実施される総合型選抜は、「学力型」「対話型」「実技型」に分けられる
  • 多種多様な入学者選抜を行い、「良い受験生」の獲得を目指す大学

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