面白くなければ入試じゃない。アロー総研スタイル「大学入学共通テストのミカタ」

面白くなければ入試じゃない。アロー総研スタイル「大学入学共通テストのミカタ」

「受験生の知的好奇心を刺激する問題をつくります」。
取材で大学入試センターに足を運んだのは昨年3月のこと。

「英語4技能」「記述式」という二枚看板を失い、大学入学共通テストへの批判ばかりが強まる中、センターの担当者は控えめに自信を覗かせた。

年が明けて1月16日、17日。53万5千人が受験した初めての共通テストは果たして「入試改革元年」の名に相応しいものだったのか。

「平均点予測」や「非常事態宣言下の入試」といった硬派な解説は別の方々にお任せし、本稿では、アロー総研スタイルの共通テストの「ミカタ」についてお話ししたい。
 
ざっくり言えば、初めての共通テストは、「オトナ」の知的好奇心を刺激する試験だったと思う。

数学は短距離走の走り方を一次関数で考える。物理はダイヤモンドのラウンドブリリアンカットの美しい輝きを数式で証明する。

化学は試行調査(プレテスト)では「昆布だし」の化学式が出題されたが、共通テストで取り上げられたのはマーガリンだった。面白い、と率直に思う。

さまざまな不具合が噴出した大学入試改革ではあるが、共通テストが意欲作であるのは間違いない。

平均点はおそらく下落し、受験生も進路指導の先生も頭が痛いだろうが、あの逆風の中、面白いテスト問題を作り上げた大学入試センターの意地に敬服したい。

これまた悪口ばかり言われている「第2日程」の出題も楽しみだ。気の毒なのは、これから中間試験や期末試験を作成する高校の先生たち。共通テストに負けない面白いテストを作るのは至難の技ですよ。

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