大波乱の2021年度入試見えてきた入試改革「元年」志願動向マップ

大波乱の2021年度入試見えてきた入試改革「元年」志願動向マップ

入試改革にパンデミックが重なり、大波乱となっている2021年度大学入試。2月5日には国公立大学の志願状況の発表もあって、全体像が見えてきたところだ。全国の大学の志願者動向を調査している豊島継男事務所・宮岡政徳氏に、現在進行中の大学入試について概況をうかがった。

観光系・国際系・外国語系の伸び悩み

「やはり目立つのは、観光系の志願者数の落ち方。前年比73.2という志願指数で、これはパンデミックの影響と言わざるをえません。また、海外留学などが課されることも多い国際系・外国語系は前年比80.9となっていますが、文学部など人文系の英語・英文系は前年比89.7に踏みとどまりました。英語を学びたくても、海外留学は難しいと考えた受験生が多かったと見られます」。
グローバル関連は志願者減が予想されていたが、観光系・国際系・外国語系が人文系以上に回避された格好だ。

私立大学全体の数値

「私立大学全体としては、前年比88.0。多くの私立大学で志願者1割減という状況になっている。「1月に行われる『フライング入試』が、激減しました。約70校の大学が1月入試を止めて、2月に入試が集中。受験したくても受験できない状態になったことも一因」と宮岡氏。減少した分の受験生が、3月入試にシフトしたり、受験浪人を選ぶとは考えにくく、大半が専門学校を選んだと宮岡氏は見る。「看護系、医療技術系、家政系の数字に、地方の単科大学の数字が含まれていないため、これらの系統の志願指数は多少上昇するかも知れません。

気になる志願者数ランキングは?

10万人超えを確定しているのは近畿大学のみとなっている。「追っているのは、明治大学と日本大学です。このほか10万人超えの可能性があるのは、東洋大学と千葉工業大学ぐらいです。早稲田大学が『10万人割れ』をしたのをはじめ、今年は志願者数ランキングにも異変がありそうですね」と宮岡氏は語る。

<表>
私立大学 学部・学科系統別志願動向(2021年2月5日現在/抜粋)
前年比志願指数
観光系 73.2
国際系・外国語系 80.9
人文系[英語・英文系] 89.7
看護系・医療技術系 87.6
生活科学系・家政系 82.3
私立大学全体 88.0

アロー教育総合研究所調べ

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