アロー総研が迫る!2020年度入試のいま。その1。

アロー総研が迫る!2020年度入試のいま。その1。

「大学入試改革」という言葉が、どこまで受験生を不安にさせたことだろう。

アロー教育総合研究所では、定期的に各受験業界紙に寄稿を行っている。manaLABOサイトでは、その一文を紹介し、高校教員の進路指導に役立つ「大学受験のいま」をお伝えしたい。

変わり続ける大学入試

 18歳人口の減少が進み、全入時代といわれるようになってすでに久しい。2000年代に入ってからは、私立大学を中心にAOや推薦入試による入学者数が、学力試験を主体とする一般入試による入学者数を上回り、「勉強をしなくても大学に入学できる時代」になったと誤解されることも少なくない。

 特に学校推薦すら必要としないAO入試は「一芸入試」とも揶揄され、大学生の学力低下の元凶とされた。オープンキャンパスに参加しただけで合格通知が届く、そんな杜撰なAO入試も実在したようだ。

 しかし、近年、受験生を送り出す高等学校も迎える側の大学も、2016年度入試から始まった「入学定員厳格化」を機に、AO・推薦入試に対する認識を変えつつある。

 首都圏をはじめ大都市圏の大学入試で、入学者の定員オーバーにペナルティが課されることになり、一般入試が一斉に「狭き門」に。合否予想が難しい一般入試を敬遠する傾向が如実となった。難関大学合格をめざす「特別進学コース」の高校生が、中堅大学を対象とする「AO・推薦入試コース」に進路変更をするといったケースも相次いでいる。

 文部科学省が進める「大学入試改革」も、多面的評価による入学者選抜へのシフトに拍車をかける。AOや推薦入試にも学力評価が義務付けられ、21年度からAOは「総合型選抜」、推薦入試は「学校推薦型選抜」にそれぞれ名称が改められることになった。

 大学でも従来のAO・推薦入試のあり方をあらためて見直す動きが広まっている。

まとめ

  • 定員厳格化を機に、AO・推薦入試への認識が変わっている。
  • 21年度からAO入試は「総合型選抜」、推薦入試は「学校推薦型選抜」に名称が変更
  • 入学定員厳格化と入試改革で総合選抜へのシフトが進む

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